第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】
突然の別れから、しばらくは落ち込み家族を心配させた三葉だったが次第に元の明るさを取り戻していた
「冨岡さんとの別れは辛いけど
2度と会えない訳ではないので…私の気が済むまで思い続けてみます」
そう言っていつもの笑顔を取り戻していた
隊服の担当も外されていたが新しく担当になったのが三葉が修行をしてた時に指導をしてくれていた隠だったので三葉は無理を言ってこっそりと冨岡の隊服を作っていた
ー2年後ー
柱合会議の2日前…
三葉は霞柱の屋敷の前をうろうろしていた。何度も声を掛けたが返事も無く屋敷付の隠の姿すらも見えない…
不死川の屋敷で同じ様な事があり、仕方なく勝手に入って庭に行ったら鍛練中の不死川に日輪刀片手に怒鳴られた
「何度も声をかけました」と三葉が怯えて震えながらも必死に抗議して
不死川が抹茶とおはぎを出して「悪かった」と言われたのが1週間ほど前で
時透くんはそんな事は無い…と思うのだが…近くの茶屋で時間を潰す事にした…
「あらっ 三葉ちゃんじゃない!」
店に入ると甘露寺と伊黒が4人掛けのテーブルに座っていて
甘露寺の前には熱々のパンケーキにバニラアイスと蜂蜜の入った小瓶が置いてある
「三葉ちゃんこっちにおいでよ!伊黒さんいいわよね」
「あぁ…宇随もこっちにこい」
可愛らしく笑う甘露寺には勝てず伊黒も手招きをする
甘露寺の回りにはパンケーキの他にもプリンアラモード、サンドイッチが並んでいたので伊黒の隣に座る
「熱々のパンケーキに冷たいバニラアイスがすっごく美味しいから!…それとミルクティーね」
と勝手に注文をしてしまった
「いいのか?」
伊黒は三葉にメニュー表を渡すが
「はい 蜜璃ちゃんの美味しいは信用してますから」
そう言ってメニュー表を開かずに置いた
「やだ…三葉ちゃん…ありがとう」
照れながらもパンケーキを口に入れて、体を揺らし美味しいを溢れさせていた
「誰の隊服だ?」
いつも三葉が隊服を渡す時に使う風呂敷に気付いた
時透の屋敷で返事が無い事、勝手に入った不死川に怒鳴られた事を話すと
「これを食べたら一緒に行きましょう」
三葉の前に甘い香りのするパンケーキが運ばれてきて、甘露寺が笑って言った