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かわいいひと

第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】




それに…俺の羽織を着た三葉の姿がなんとも色っぽくて背中がぞわりとした

現代でいう「彼シャツ」的なやつ


今も臍の下がもぞもぞとして眠れそうにない

仕方なく硬くなっていた欲棒に手を伸ばす
宇随…すまないな…一瞬前田を殴った時の宇随の顔が浮かんだが、冨岡は最後までちゃんと処理をして眠った








1週間後の柱合会議の日

冨岡は三葉が仕立てた隊服に袖を通す

「心をこめた」と言っていた通りに丁寧に作っていて、直しも無く腕も足も動かすのになんの支障もなかった


会議へ行く為に玄関で履物に紐を通していると


「ごめんくださーい」

と門扉から声が聞こえてくる。屋敷使いの隠の話声が聞こえて、足音が2つ近づいてきた


「水柱様…失礼します」


すりガラスの扉から黒い隠の隊服と上が水色で下が黒い影が見えた



「あっ、よかった間にあったみたいだぞ」

隠が水色と黒の影に向かって言うと、その影を残して去っていった

開いた扉から顔をだしたのは三葉で、冨岡を見るとニコニコと笑う


「冨岡さん。おはようございます」


黒髪を後ろでまとめ銀細工の簪で止めている
水色に黄色の小菊柄の着物に黒の袴姿の三葉の手には紺色の風呂敷を抱えていた



「なんの用だ?」


朝から三葉が屋敷にくる用事が冨岡には思い浮かばない



「ちょっと失礼しますね」

玄関の上がり口に風呂敷を置いて結びをほどくと、チャイナドレス事件の時に冨岡が三葉に渡した羽織がでてきた



「間にあってよかったです…お借りしたままだったので、今日が会議だと兄様に聞いて持ってきました…着て行きますか?」


「あぁ…」


三葉が羽織を広げそれに冨岡は袖を通すと、ふわりと三葉の香りがした


「ちゃんと洗いましたから綺麗ですよ」


「匂いがする」


冨岡はいい匂いがする…という意味だったが、三葉は少し焦った



「すいません…兄様がくれた桜の香りの香をつい癖で焚いてしまって…」

しゅん…と肩を落とす三葉を見て、冨岡は言葉が足りなかった事に気付いた


「大丈夫だ…桜は好きだ」


冨岡が三葉を見ると嬉しそうに笑う

コロコロと表情を変える三葉を見て

2年もの間、本当に宇随が愛情を注いで育ててきたのが分かった


「よかった…な」


思わず口から出た言葉の意味は三葉には分からなかった
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