第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】
こんな隊服で戦えるの?
隊服は…隊員の希望を取り入れて作るって聞いてたけど…これを希望した隊員がいるって事?
様々な疑問が浮かび上がって三葉の頭は軽くパニックになっている
それに鏡に写る自分の破廉恥な姿は、裸を見られたように恥ずかしくて動けない
「宇随さん開けなさい!」
「むっ…無理です!脱ぎます!」
「着たんですね!見せなさい!」
「嫌です!」
その頃縫製部門の屋敷の玄関に冨岡と宇随が来ていた
「久しぶりだな冨岡…お前今度の柱合会議で水柱だってなおめでとう」
「あぁ…」
相変わらず地味で無愛想な奴だなぁ…
「冨岡、ここに何しにきたんだ?」
「柱合会議に着ていく隊服をついでだから貰いに来たんだが…返事が無い。宇随は…」
そんなやりとりをしていると奥から
ガタン!
と大きな音がして
「キャアァァァー!」と叫び声が聞こえた
宇随と冨岡が風の様に声のした方へ駆けつけると
試着室の隅で膝を抱えて体を隠す三葉と
その三葉の肩に手をかける前田の姿が2人の前にあった
破廉恥な隊服姿を膝を抱えて隠している三葉だが、チャイナドレス風の隊服のせいで横を向いて体操座りの姿の三葉の下半身は面積の少ないスカートのせいで二人には裸のように見えている
下半身が裸の三葉に隠の隊服を着た男が無理やり三葉に掴みかかっている…
と宇随と冨岡には見えた
驚いて一瞬固まった冨岡だったが宇随は無言で前田を殴りつけ壁に吹き飛ばし気絶させた
それでも足りなくで殴ろうとする宇随を、脱いだ羽織を三葉に渡した冨岡が止める
「宇随!!死ぬぞ!」
「あ"あぁ"?」
体格の差はあるものの、柱になる冨岡は宇随の腕を掴み2発目は辛うじて止める
「お前も見ただろ!三葉に何してんのか!」
「三葉?」
「あの日2人で助けた三葉だ!」
あの子供が…こんなに成長したのか…
宇随に引き取られたと聞いていたが、わざわざ合いに行く事もないままだった
痩せていて、温める為に抱きしめても女の子だとは全く分からなかった子供がこんな…色々…成長してる
「なら…俺も殴る」
止めていたはずの冨岡までも拳を握りしめる姿に三葉は慌てた