第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】
3ヶ月も一緒に暮らした蝶屋敷の面々との別れを惜しむ三葉に
「二度と会えなくなるじゃないんだ、家では姉様達が待ってんぞ!
胡蝶…ありがとう世話になったな」
そう言って宇随は深々と頭を下げた
それを見た三葉も一緒に頭を下げる
宇随の大きな手は三葉の小さな手を包むようにつないで蝶屋敷の門を出ていった
宇随の妹となり名前も宇随三葉となった
そんな三葉は宇随達に愛情をたっぷりと注がれて成長していた
筋肉も少なく体幹のバランスも悪かった三葉に、宇随は無理の無い訓練方法を考え、そのおかげで今では走る事も出来るようになった
嫁達の作るバランスのとれた美味しい食事で三葉は身長も伸びて
2年の歳月がたった今では身長は153センチ体重は40キロになったし、最近初潮もきた
手先が器用で裁縫が好きだった三葉は宇随の薦めで洋裁の学校に通いながら鬼殺隊の縫製係に修行に行っている
今…三葉は鬼殺隊の縫製部門の試着室にいる
「宇随さん!着ましたか?着ましたよね!さぁ見せて下さい!!」
鍵のかかっている扉の前で縫製係の先輩である前田が騒いでいる
今日は休みだったのだが、早く上達したくて来てみたら、何故か他の先輩達はそれぞれの担当の隊士に隊服を届けに行って前田しかいなかった
「宇随さん!この隊服を試着して下さい!」
新人隊員の体型が三葉と似ているから是非ともお願いします
そんなもっともらしい理由を付けて前田は三葉に隊服を渡した
胡蝶しのぶが目の前で燃やすような破廉恥な隊服を作る男とは知らない三葉は
「はい」と返事をして試着室に入ったのは30分前…
首元は詰襟でノースリーブのワンピースなのだが…両端のスリットが深く腰の位置まである、スカートの部分が広がり過ぎない様に膝上10センチくらいの所まで紐で編み上げているが、体の面積に対してスカート部分の布が足りてないから両端の腰から下は肌が見えてる
この隊服、かなりセクシーなチャイナドレス仕様だった
しかもこの頃の女性はまだブラジャーとかパンツは一般的ではない
普段は和装の三葉もその例外ではないから、体にぴったりとしたチャイナドレス仕様の隊服は
三葉の成長した丸みのある柔らかな体のラインを強調している