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かわいいひと

第10章 happybirthday【不死川実弥】





決戦が終り傷がいえた頃から時々屋敷に来ては

「機能回復と左手の生活になれる為の訓練で…作った」


そう言いながら懐から曲げわっぱを出してくる
その中には大きなおはぎが三個いつも入っていて、三冬が「冨岡さんも」と言ってお茶を出すから三人で冨岡の おはぎ 試食会と批評会が定期的にひらかれた

はじめの頃は…小豆 砂糖 もち米 塩 だけで出来るはずの おはぎ をどうしたらこんな風に仕上げられるのか不思議なくらい不味かった

段々ましには、なっていたが結局俺が「美味しい」って言えるのは出来ないまま離れてしまっていた


















見慣れた曲げわっぱが懐から出てきて、大きなおはぎが三個入っていた



「今日はご馳走が沢山あるから、最後にひとつを三人で食べましょう」


両手に大好物の土産を抱えてご機嫌な三冬が冨岡に微笑むと、少し表情が豊かになっていた冨岡も笑う…その顔が男前でムカついた



三冬が俺の左隣に座る、右側に宇随と嫁さん左側に冨岡と竈門達が座り


「じゃ!祭りの神が乾杯の挨拶でもするか!
不死川と三冬の双子…小太郎と暁の誕生と、不死川実弥の誕生日を祝って!今日は飲むぞ!おめでとう!乾杯!」


「おめでとう!」「乾杯!」


最初の一杯を飲み干すと、空の盃に三冬が酒を注いだ



「実弥さん産まれてきてくれてありがとうございます

にぎやかな誕生日になりましたね…」


三冬が凄く嬉しそうに微笑みながら言った

























禰豆子と宇随の嫁さん達が用意した沢山の料理は皆の胃袋に消えてしまい

酒もあと一升残すだけになった

張りきり過ぎた宇随は少し前に珍しく潰れてもうひとつの客間に敷いた布団に寝かせ、それに合わせて嫁さん達も客間へとさがった

竈門らも大体の片付けまでしてから家に帰った


そして…居間に残ったのは俺と三冬と冨岡で
三人の前にはお茶が三つと一つの塊を三等分にした おはぎ がある





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