第10章 happybirthday【不死川実弥】
祝宴の話
「俺は酒が呑みてぇんだ!不死川起きろ!」
宇随のでかい声で目を覚ました
都合よく夢の続きは見ることは出来ずに爆睡していた
抱きしめていたはずの三冬の姿がなくて頭を掻きながら宇随を見る
「三冬なら風呂だ!やっぱ女だよな汗臭い体だと恥ずかしいんだとよ
お前もさっぱりしてから来い、俺に付き合えるのお前くらいだからな」
居間と客間の間の襖を外していて、どこから持ってきたのが座卓が三つ、コの字に並べてあり皆が見渡せる席に座るように言われた
双子はというと、三冬が風呂から上がり乳を飲ませたから腹一杯になってよく寝ている
その双子を三冬の隣で飽きもせずにじぃーーと見ているのが……冨岡だ
「不死川…おめでとう招待してくれて嬉しく思っている」
「招待?」ってなんだ?
「まぁ…同じ柱の生き残りなんだ祝宴には派手に呼ばねぇとな
それに三冬とは友達だろ?」
宇随の言う通り冨岡と三冬は…以外にも仲がいい
以前冨岡に三冬の作った鮭大根をもって行ったら大層気に入ったらしくて
冨岡の任務が無い日で俺が屋敷にいない日は二人で買い物に行き、鮭大根の材料を買い込み三冬が俺の屋敷で作ってあげているのは気付いていたし、三冬からも聞いていた
竈門から三冬が洋菓子好きなのを聞いた冨岡が、三冬にお菓子を買って持ってきているのも知ってる
『あんな無口で何言ってるのか分からない奴とよく一緒にいれるな…』
一度三冬に言った事がある
「空気が合うんです。安心しする…というか男性って感じがしないです…実弥さんの隣も安心しますけど、心臓がドキドキしてときめいてしまうから…冨岡さんとは全く違います
たぶん私に兄がいたら冨岡さんみたいな感じだと思います」
「実弥さん!冨岡さんからキャラメルとカステラとチョコレートをいただきました」
三冬の好きな洋菓子トップ3を持ってきたんだな…
おそらく冨岡は兄のように慕ってくれる人は三冬だけなんだと思う
それが嬉しくて三冬の事は大事にしてくれてるのだと思う
「不死川には…」
懐を探りだした冨岡を見て、それが何かは直ぐにわかった