第10章 happybirthday【不死川実弥】
「お前寝てないんだろ?」
竈門達が双子を囲んで見ている姿を眺めていたら宇随が背中を叩いた
「あぁ…なんか寝るのが勿体なくてな」
「俺がいるし、竈門達もまだいるんだろ?赤ん坊の世話は嫁達と禰豆子が見るから寝てこいよ」
体がふわふわとして心地いい…もう少しこの温かな空間を楽しみたくて少し迷う
「風のおっさん!ガキは俺達にまかせとけ!権八郎はガキを紋逸は俺と畑に行くぜ!」
「えっ!ヤダヤダぁぁ…禰豆子ちゃんといたいぃぃぃ…」
「善逸さん畑仕事頑張って下さいね 美味しい晩御飯作って待ってますから」
禰豆子が少し首を傾げニコニコっと笑えば
「ハイ!頑張ってきまーーす」
嘴平を追いかけて行った……
禰豆子……扱い方…上手いな
「宇随さんが哺乳瓶と粉ミルクも買ってきてくれてますから お乳が欲しくて泣いた時は取りあえずそれを飲ませます
三冬さんがゆっくり休んだ後で母乳を飲ませましょう…だから不死川さんも少し寝て下さい
その為にみんなで山を降りて来たんですよ
そして夜は誕生日の祝宴をしますから…準備もまかせて下さい!」
そういや沢山荷物も抱えてきてたな…
「宇随さんがこんなに早く来ると思わなかったからお酒が絶対足りないんだよな…禰豆子、兄ちゃん町まで買いに行くけど他に何かいるか?」
「色々足りないから…ちょっと台所に行って紙に書いてくるね」
「禰豆子ちゃん!私達も手伝うから…」
雛鶴が腰を上げる
「みなさんはお客さんだもの双子をたっぷり見てください。私達はいつでも…」
「禰豆子…俺らは客じゃねぇよ、俺達も双子だって聞いて手伝いに来たんだ
お前達も炭焼きはこれからが忙しくなんだろ?だからこの宇随様が来たんだよ」
柱の時は屋敷と呼んでも差し障りのないくらいの広い家にいたが、今の家は少し広く作った台所、家族で入れるくらいの広さの風呂、居間、夫婦の寝室、仏間、子供部屋と後は客間が二つの造りだ
部屋はあると言えばある
「んじゃ…少しでも布団を干しとくか」
「大丈夫だ…町で宿をとってるから其処から通う…でも祝宴なら今日は世話になるぜ」
結局今日は泊まるんだな
「…取りあえず干すから手伝え」
四組しかない布団を日当たりのいい客間に広げた