第10章 happybirthday【不死川実弥】
小さな男の子と女の子が産湯で綺麗になり肌着を着せられて子供用の布団に並んで寝ている
男の子が産まれた後、女の子はなかなか降りてこなくて三冬さんの出産は10時間もかかった
産後の処置が終わった三冬さんを不死川さんは抱き上げ子供達が眠る寝室へと連れていき布団へ下ろした
長い出産で疲れ切ってるはずの三冬さんが不死川さんの腕を掴んだまま離さないので仕方なく一緒に横になり腕枕をして抱きしめ背中をさする
「三冬…ありがとう頑張ったな 子供も二人ともよく眠ってるぞ」
不死川さんが優しくささやくと安心したのか三冬さんはやっと眠った
不死川さんは眠った三冬さんをしばらく抱きしめていて不死川さんからは涙と感謝の匂いがした
11月29日
昼過ぎに私の体と双子の様子を見に産婆さんが来てくれた
疲れて寝てしまった私の代わりに、実弥さんが白湯をガーゼに染み込ませて双子に飲ませてくれていた
産婆さんに乳の飲ませ方や、げっぷの出し方、乳が出やすくなる揉みかたなんかを二人で教えてもらった
黒くおおきくなった乳首を産婆さんが摘まみ少し力を入れると黄色がかった母乳が出てきて
「乳の出もいいようだね」
そう言って男の子の口に乳首を含ませる
こんな小さな赤ちゃんにこんな吸い付く力があるの!?と驚くほど吸いつきよく飲んだ
「飲みっぷりも問題ないね」
実弥さんは長男で下の子の面倒をみてたから、なれた手付きで小太郎を受け取り肩に顔をのせて背中をさすりげっぷをさせる
反対の乳首も母乳の出はいいみたいで暁もよく吸い付き飲んでくれた
「二人とも乳の飲みっぷりもいいし、旦那も赤子の扱いにもなれてるみたいだから大丈夫そうだね…また一週間後にくるよ」
そう言って産婆さんは帰っていった
「双子…だったんですね」
私は暁を、実弥さんは小太郎を抱いている
「あいつらは知ってたぜ」
善逸くんの耳の良さは鬼刹隊の時から知っていたけど…お腹の中の心音まで聞こえてたなんてすごいなぁ…
「驚かそうと秘密にしていたなんて…だから隠し事が出来ない炭治郎くんがパッタリ来なくなっていたのね」
「禰豆子はこれを作ってたんだとよ」
実弥さんの指を差した方を見ると、私が準備をしたのとは違う赤ちゃんの肌着やらオムツが山になっていた