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かわいいひと

第10章 happybirthday【不死川実弥】




「ちょっとだけお腹が張って痛いけど、時々こんな事はあるから…ゆっくり歩いても後30分くらいで家に着く距離だし、産婆さんも少し動いた方がいいって言ってたし…帰ったらちゃんと休むから大丈夫だよ」



「心配だから手を繋ぐよ、だから荷物は俺の背中に巻いて」



そう言われたら断る訳にもいかず、大人しく荷物をしっかりと背中に斜めにかけて胸元でしっかりと結び、差し出された手は、炭焼きの仕事で爪と皮膚の間に洗っても落ちない黒い炭が付いていた









帰ってすぐに炭治郎くんが禰豆子ちゃんに布団の用意をさせて、その間に私の足袋を脱がして帯を緩めてくれた



「炭治郎くんありがとう、ちゃんと休んでくるね」


無事に家に帰り着いてホッとしてる炭治郎にお礼を言って、禰豆子ちゃんに着替えを手伝ってもらい よっこらせ と、床につく
体が冷えてたからと禰豆子ちゃんが湯たんぽまで持ってきてくれて私はぬくぬくと布団にくるまり眠った





お腹の痛みで目が覚めた、パンケーキを食べ過ぎたのかな…

「美味しい!」

って言いながらニコニコで食べ終わったら

「これも食べていいぞ」

炭治郎くんは一枚だけ食べて、もう一枚残ったお皿を交換してくれた

それも遠慮なく食べていた私達のテーブルに給仕さんが来て


「優しい旦那様ですね…奥で見ていてうらやましくて…これはお店から、優しい旦那様と可愛らしい奥様へのサービスです」

そう言ってシベリア(カステラにあんこをサンドしたお菓子)を二切れ持ってきてくれた

それも…食べたんだよなぁ…お腹が痛いなんて言うと炭治郎くん絶対食べ過ぎだと思うんだろうな…

ちょっと恥ずかしくて我慢する事にした


「お昼ご飯は?」覗きにきた禰豆子ちゃんには悪いけど、あれだけ食べればお腹は空く事もない、いらないと言うといらない理由を話さないといけないから狸寝入りでごまかした









三時間後



なんか…さっきまでは我慢できる痛みだったのが急に激しくなり息が止まった

食べ過ぎたお腹の痛みとは違う事だけが分かる…これ…まさか…しっ…出産?


「三冬さーーーん」

炭治郎くんの叫び声とともに襖がスパーンと開く


「不死川さん呼んでくる!禰豆子、三冬さん始まってる!」


ドタドタと走る音を聞きながらやっと会える事を嬉しく思った



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