第10章 happybirthday【不死川実弥】
久しぶりの町に三冬さんが少しだけはしゃいでいる
小豆、もち米、砂糖 それだけを買うだけだからと三冬さんにお願いされ
買いに行く物は秘密にして不死川さんにゆっくり行くならいいと言われたのに…
「あの反物の色と柄、実弥さんに似合いそうじゃない?
あの襟巻の色禰豆子ちゃんが巻いたらもっと可愛くなる!」
新しく開店した小物や着物を取り扱う店にちょっとだけ寄りたいって言う
「不死川さんと約束したからダメ」
少し強く言ってみたけど
「産まれたらしばらく来れなくなるでしょ?それに誕生日におはぎ以外の何かあげたいの…あと三回くらいしかお祝いできないかもしれないでしょ…」
そんな事を言われたらそれ以上ダメとは言えなかった…
禰豆子もそうだけど、女の子は着物とか小物の店に行くと目がキラキラする
三冬さんも同じような顔をして襟巻をみたりしてるから、まぁ少しならいいかと思った
色々と悩んで襟巻を六本も持っていた
首は一個しかないよ?そう言ったけど
「開店特価だったしどれも素敵な色だったから仕方ないの!どれか一つになんて選べないもん」
そう言って結局六本買った…
小豆、もち米、砂糖、襟巻 これで帰ると思ったら、また別の店に行こうとする
「これ以上荷物が増えたら緊急の時に三冬さんを抱え走れなくなる…だからもうダメ!」
今度はちゃんと強く言って諦めてもらった
「っ…たしかにはしゃぎ過ぎたかも…お腹が張ってきたから、ちょっと休もうかなあのお茶屋で…」
指をさした先には、三冬さんがまだ今よりお腹が膨らんでなかった頃によく行っていたパンケーキ屋さんだ…
パンケーキ食べたいだけなのか、本当に休みたいのか分からなかったけど、どっちにしても少し休憩はした方がいいからよる事にした
久しぶりの蜂蜜とバターたっぷりのパンケーキを食べた
炭治郎くんも蜜璃ちゃんを思い出すって言って頬張ってる、沢山口に入れるから頬がリスみたいにプックリ膨れるから凄く可愛くて炭治郎くんの食べてる姿は好きだった
少しはしゃいでしまい、赤ちゃんもビックリしているようで時々お腹が張って痛い…我慢できる程度だから私は何も言わずにゆっくりと家へ帰る事にした
「……三冬さん?」
炭治郎くんは鼻がいい…きっと私が少し我慢してる事に気付いている