第10章 happybirthday【不死川実弥】
「晩も食べて帰れ」と実弥さんが言っても善逸くんは禰豆子ちゃんの作ったご飯が食べたいからと言って何も食べないし
親分にはおにぎりを作っているけど、いつものように走りながら食べるといってさっさと帰ってしまった
「お帰りなさい 親分 善逸さん」
「お風呂沸かしてるから先に入ってこいよ」
「今日も天女がいるぅ…ただいまぁ禰豆子ちゃーん」
「紋逸!風呂いくぞ!」
伊之助に引きずられる様にして風呂場に消えて行った
「お兄ちゃん、後少しで縫い終わるから食事の準備をお願いしていい?」
チクチクと禰豆子が今縫っているのは、もうすく産まれる不死川さんの赤ちゃんの肌着だ
不死川さんも玄弥も体が大きいから三冬さんのお腹が、母さんの時より大きいのは赤ちゃんも大きいからかな?と思っていた
「三冬さんのお腹には双子が入ってるよ」
耳のいい善逸は三冬さんから心音が三つ聞こえるから間違いなく双子だと言う
産婆さんも気付いていない様で、食べ過ぎないようにまた言われた…としょんぼりしながら三冬さんが言っていた
双子だと教えてあげようか話し合った結果秘密にする事にした
嘘が壊滅的に下手な俺と、もう一人分のオムツや肌着や着物を縫う為に俺と禰豆子は三冬さんの所に手伝いに行くのはやめて
善逸と伊之助に行ってもらっている
「多分後一週間位で産まれるんじゃねぇかな」
山の動物の出産は何度も見た事がある伊之助が言った
翌日からは母さんの出産の手伝いをした事がある俺と禰豆子で不死川さんの所にいく事にした
11月28日
その日は朝から天気がよくて三冬さんの体調もよくて朝からおはぎを作りたいと張りきっていた
「おはぎですか?俺が作りますよ」
「ありがとう、でもね私が作りたいの…明日実弥さんの誕生日だから…
実弥さんには内緒だよ」
そう言って笑う三冬さんが可愛くて俺も笑顔になった
「実弥さん…今日は体調もいいから炭治郎くんとちょっと町に買い物に行きますね」
不死川さんは三冬さんの頬を両手で包むように触れて顔を見る
「そうだな…顔色もいいな 気分が悪くなったらすぐに休めよ?竈門よろしく頼むわ」
不死川さんは俺達の前でも三冬さんに触れては優しい笑顔になる
玄弥の言っていた不死川さんの本当の姿なんだと思った