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かわいいひと

第10章 happybirthday【不死川実弥】




鬼殺隊時代の顔をして怒ってる不死川をからかっていると



隣の三冬が突然大きな声で泣きだした



「わた…しは……さね…みさんの嫁で…す
なのに……ほったらかしに…したの…誰ですか!天…元さまは…優しい……んです」


三冬が空の湯呑みを不死川に泣きながら投げつけ


「一ヶ月も…ほったらかしにして…それが旦那様のする事ですか!」


そう叫び袂で顔を隠して大泣きをする



「俺はちょっと外すわ」


聞きなれない三冬の大声に嫁達も駆けつけたが、そのまま三人を抱え込むように屋敷の奥へと連れていった






















さっきまでの怒りが急に足元から地面に染み込む感じがした
それとともに三冬にひどく当たった事に気付く、三冬の思いを疑った事は無い





驚かそうと鎹鴉に手紙を持たせなかった
俺を見ると「実弥さん」って言って花が開くように柔らかい笑顔を向けてくれると思っていた

宇随の屋敷の縁側に座る二人を見た時、その姿が本当の夫婦のように自然だった

少しむくれた顔で宇随と話す三冬、それを隣で茶を飲みながら聞いている宇随の笑顔に足が止まった

それから宇随は俺の子供がいる三冬の腹に触れて顔を寄せた


「天元様…」

風に乗って聞こえたのは三冬の宇随を呼ぶ声…

天元…だと?



俺は宇随に嫉妬したんだ
















飛んできた湯呑みは俺に当たり地面に落ちて割れた

体を震わせて泣いている三冬に近づき正面から抱きしめ、久しぶりに三冬の匂いを感じる


「三冬…悪かった…長く独りにして…
三冬はしっかり者だから大丈夫だと勝手に思っていた」



「…実弥さんのばか……」


「そうだなあ…俺はバカだよなぁ」


腕の中に閉じ込めた三冬は、最初は体を固くして俺を拒んでいた
背中を撫でながら優しく抱きしめていると、次第に体が柔らかくなり俺の胸に体を預けてきた



「三冬…愛してる…」



「……」


返事はなかったが、三冬の体がだんだんと熱くなってきて首が赤く染まっていく


もう一度「愛してる」と伝えると、三冬が俺の体に手を回し抱きしめる


「私も…愛してます」


「許してくれるか?」


「はい」


ようやく三冬が顔を上げてくれた





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