第9章 恋に落ちる 2 【不死川玄弥】
俺の下で泣きながら瑞穂は一気に話した
15歳…今の俺より年下か…
一番大きなこの傷は鬼…では無く人から付けられたのか…
「薬は…しのぶちゃんからもらったけどまだ飲んだ事はないよ…
好きになってくれた人はいたけど先には進めなかった
それに実弥とも悲鳴嶼さんとも何もない
筋肉の事も背中を怪我した時に私が薬を塗ったりして世話をしてたから知ってるの」
「どうして……」
俺の体はでかい…顔だって蝶屋敷の娘達は怖がっていた
どうして…瑞穂は俺を…
俺を下から見ている瑞穂は、まだ涙の乾いていない潤んだ目でふわりと微笑んだ
「鼓動が…玄弥の体から私に響いてくる振動が優しいの…背負われて帰った時…心が壊れそうな時に玄弥からの振動が優しく心地よかった…玄弥に私は恋に落ちたの…大好きだよ…だから大丈夫だった…」
俺は腰から下りて瑞穂を引き起こし優しく抱きしめる
「…玄弥…嫌いにならないで…」
俺の体にすっぽりと入る小さな体が震えている…
強く噛みついた肩の傷から血がにじんでいた
優しく抱きしめるはずが気が付けば瑞穂を強く抱きしめ俺は泣いていた
「ごめん…酷くしてごめん…それに酷い事を言ってごめん……この体に俺の知ってる奴が触れたかと思うと…どうしようもなく嫉妬したんだ…大事にしてやれなくてごめん……瑞穂の事好きだよ」
「本当に?汚れているよ…」
「…て…ない……汚れてなんかない…大好きだよ」
腕の中の瑞穂がもぞもぞと動き、両手を俺の背中に回して抱きついてきた
「私も大好き…」
そう言って俺の肩に噛みつきチュッと音を立てて吸い付いてきた
暫く吸い付いてから口を離して、赤く付いた痕をみて
「これでお揃い…」
ふふっ…と笑う瑞穂がたまらなく愛しい
それから俺達はお互いが引き合うように口付けを何度も交わし再び体を重ねた
身体中に口付けして足の指を口に含み瑞穂を味わい、ゆっくりと優しく愛撫を進めていく
「っ…ぁぁ…玄弥…もう…ダメ…おかしくなっちゃう」
何度目かの絶頂を迎えた瑞穂は震えが止まらない体で俺にしがみつき気を失った