• テキストサイズ

かわいいひと

第9章 恋に落ちる 2 【不死川玄弥】




「玄弥…私は汚れているの…」


あの日の事はよく覚えている…15歳になったばかりだった

雨が激しくなり潜る事が出来なくなった
海女小屋へ帰り他の先輩の海女さん達と冷えた体を温める
その日は弟の具合が悪くて母は漁には来てなかった
いつもは当番制で小屋の掃除、火の始末、戸締りをするけど一番下っ端だった私が

「今日は私がします」

手を上げて立候補して一人残り掃除をする、後は火の始末だという時に扉が開いて網元の所にいる新参の若い衆が3人入ってきた

「どうしました?女将は帰りましたよ」

私は網元の若女将の迎えだと思った

「すれ違いになったんですね」

外はもう暗くなっていた、私も帰らなきゃ…と火に灰をかけようと後ろを向くとカタンと音がする

振り返ると一人が外から扉を閉めていた

行灯の火が揺れて私の不安を掻き立てる



無言で2人が側にやって来て私は目隠しと猿ぐつわをされた

1人が終わると見張りの外の男と交代をして私は3人に何度も入れ替り立ち代わり何度も犯された

何時間も乱暴に扱われ私の体は痛みで動く事が出来ず
そのまま板間に放置された…ぼんやりと男達を眺めていたら1人が刃物を持ち出し私の首に突き付ける


「網元にでも話してみろ、お前じゃなく家族を殺してやる」

頷く事しか出来ない私の髪の毛を掴み


「傷が治ったらまた抱いてやる…もう生娘じゃないから次は気持ちよくなって自ら腰を振るんじゃないのか?」

3人の下品な笑い声に私の何かが弾け近くにあった真っ赤になった火箸を掴み一番近くに居た男の顔へて押しつけた

じゅ…という音と共に焦げた臭いが鼻につく


「ぎゃあああぁぁ!」

絶叫とともに男は床の上をのたうち回る


すぐに別の男に殴られ壁へと吹き飛ばされ、手にしていた火箸は奪われ私の体に押し付けられた
肩から胸へと激痛が走り今度は私の絶叫が響く

何度も殴られこのまま死ぬのだと思った時に



ドコン!



凄い音とともに屋根が崩れ落ちた


行灯の火は消え土埃が舞う…土埃が風で消えると月明かりの中に1人の男が立っている


全身に線の模様が入っていて目が大きく輝いていた


一度私を見て、片方の眉をピクリと上げた
それから3人の男に近づた…と思ったら1人は首から血を噴き上げている
私の足に何かが当たり視線を落とすとそれは頭部だった

/ 396ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp