第9章 恋に落ちる 2 【不死川玄弥】
5歳年上の瑞穂さんは素直に愛情を伝えてくれる、それに戸惑う俺を「可愛い」と言う
でも俺が素直に瑞穂さんへの気持ちを伝えると、途端に顔を真っ赤にして固まってしまう…
「瑞穂は可愛い」
俺は体からでる振動は感じないけど、目の前で頭から湯気が出そうなくらい耳だけでなく首まで赤く染まる彼女を見てればかなり心拍数が上がっているのが分かる
「き…急に…呼びすてなんて…玄弥はずるいよ」
瑞穂さんは視線をそらして後ろを向いた
動揺してカチャカチャと音を立てながらお茶を入れる後ろ姿が愛しくて抱きしめる
「玄弥…あぶない…から」
「うん…ごめん」
抱きしめたまま瑞穂さんのつむじに鼻を近づけて匂いをかぐと、滝壺で抱きしめた時と同じ匂いがした
「どうしたの?」振り向いて少し心配そうにして見上げてくる
愛しく思う…守りたいと思う
今の俺には無理だし…これからも彼女のような強い隊士には俺は多分なれない
今度は瑞穂さんが俺の胸を抱きしめて
「大丈夫…私はあの夜の玄弥を好きになったんだから…玄弥は心が強くて優しいんだから」
「ありがとう…」
背中を丸めて触れるだけの口付けを落とす
そのままの距離で瑞穂さんを見つめると嬉しそうに顔がほころんだ
「今日は大人になりにきたから」
瑞穂さんを抱きしめると体温が上がっていくのが分かる
体を離してもう一度顔を見たら、真っ赤になった顔と潤んだ目が色っぽい
瑞穂さんの柔らかな体を意識してしまい俺の体温も上がってしまった