第8章 願わくば花の下にて 【鬼舞辻無惨】
最後の戦い…そんな事を聞いて眠る事も出来ずに縁側に座り空を眺めていた
鳴女さんの目が私の側に寄り添い私と同じ様に空を見ている
私が話をした事のある鬼は鳴女さんだけだった、もの静かな人で聞いた事以外は話をしてくれなかったが、無惨様と二人で夜桜を見ながら聞いた琵琶の音が美しかった
その鳴女さんの目がポロリと少しずつ崩れていく
無惨様の側にいつも控えていた鳴女さんに何かあった?無惨様は……?
「鳴女さん!聞こえますか?聞こえているなら私を無惨様の所に連れて行って!」
そう叫ぶ間もどんどん崩れてしまう
「お願い!鳴女さん!!」
べぇん!
小さな琵琶の音が聞こえて、足元に障子が現れ開き私は落ちていった
知らない町に落とされ体が痛い…この近くに無惨様がいるはず!
離れた所で火の玉があがり建物が崩れる音が聞こえる
行かなければあそこへ!無惨様の悲しい運命を変えに!私が…途方も無く長い孤独から無惨様を救いたい!!
火の玉が上がった方へと私は走りだした