第6章 初めての人【宇随 天元】
3人の嫁達は、何か言いたげな顔をしていたが、何も言わず頷いてくれた。
それから1週間後に、再び大量に吐血して美名保は宇随の腕の中で死んだ。
不審者が出る。そう聞いてから、海奈帆も帰り道はその目撃された所を通り帰っていた。今日は、住宅地から少し離れた所にある公園を通り帰っている
広い公園なのだが、周りの住宅地が高齢者ばかりで利用する人も少ないからなのか、外灯もまだLEDに変わっていなくて外灯の電球が切れていて薄暗く見るからに危険なのだが。
学園から駅までの近道として学生が通り抜けに使っているらしい
長年の美少女生活のお陰様なのか、海奈帆は危険センサーがなんとなく働く。
嫌な空気は感じるのだが、歩いてる生徒もいないし、ジョギングしている人が何人かいるだけで空振りだったのかと思い、ベンチにスポーツバックを下ろしペットボトルを取り出して水分補給をした。
それから軽く準備体操をして、スポーツバックを背中に付くように短くして走って帰る準備をしていた。
前からジャージ姿の男が走っているのが見えて少し警戒したが、腕にペースメーカーを付けて走っているから不審者だとは思ってなかった。
バックを持ち上げた時に後ろの植え込みから猫が2匹飛び出してきて海奈帆は驚き「キャッ」と声を上げた。
「ビックリした…猫かぁ~」
ベンチにバックを置いてため息をついてたら
「大丈夫ですか…なにかありました?」
さっきのペースメーカーを着けた男性が心配して近づいてきた
「植え込みに猫が居るの気付かなくてビックリして…ありがとうございます大丈夫です」
冨岡、煉獄、宇随だけでなく、海奈帆の性格を知っている人から
「その笑顔にみんな騙されている」
と、言われている笑顔で海奈帆はその男性にお礼を言って顔を見た…
「へぇー当たりじゃん…」
男は海奈帆の腕に手を伸ばし掴んできた
「アンタさ、この公園危ないの知ってて来たんでしょ?騒いで恥かくのアンタだよ?」
捕まれた腕に爪がくいこむくらい強い力で掴まれる
これで、普通の女の子達は脅えてしまうのだな…海奈帆は冷静にそう思った
この元美少女は普通の女ではない、でもそれが本人も油断をしてしまった。