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かわいいひと

第6章 初めての人【宇随 天元】





「ねぇ竈門ベーカリーって美味しいの?」


登校する生徒がよく竈門ベーカリーの袋を持っているから以前から気になっていた。

冨岡は揚げパンに魚肉ソーセージフライを挟んで食べていた、それを「んっ」と食べろと言わんばかりに海奈帆の顔のまえに差し出す。
それを海奈帆は食べる女だ

「うわっ…ここ学校の食堂だよ?」

「なにイチャイチャしてんの?」


そんな事を聞こえるように言ってくる生徒もいるが、2人にとっては通常運転だから聞き流す


「美味しい…揚げパン凄い!魚肉ソーセージフライも美味い…」

だろ?と言わんばかりにムフフと笑う冨岡に

「カレーパンに揚げパンにミックスフライって…炭水化物気にするのに脂質だらけじゃん」

「大丈夫だ青汁を飲むから、姉さんが青汁飲んどけば野菜不足は心配ないって言ってるからな」

姉さんと青汁への信頼度…



「一緒に帰るか?」


帰り道で竈門ベーカリーの場所を教えてくれるのだと海奈帆は分かった。


「うん、帰る」


海奈帆の心は竈門ベーカリーに行ける!揚げパン!の喜びの笑顔なのだが端から見てると、近くで生徒達が聞き耳を立てている学食で、お互いに笑顔で一緒に帰る約束をしているお花畑の教師と庭師だった。




今、海奈帆は校舎の中庭を作っている。今までも芝生が敷いてあり、悪くはなかったのだが芝生に座るとチクチクする、ベンチには日除けも無いから生徒は誰も中庭には来ない。

それを理事長の産屋敷氏にお願いをして予算を出してもらい、海奈帆が生徒が楽しく弁当を食べにきたくなる中庭に絶賛改良中だった。


放課後、紺色の男物のツナギを着て頭にタオルを巻き重機を操作する海奈帆の姿があった。


「センセー!片付け終了しましたぁ、後は戸締まりお願いしまーす」

美術部の部長が最後に鍵を渡しに準備室に入ってきた。


「リョーカイ、気を付けて帰れよ、最近変な奴がうろついてるからな」

大会の近い部活は19時まで部活動を許可していたが、それ以外は18時までになっていた。帰宅前の15時から1時間おきに教員が2人で見回りを20時までしている。



「次は煉獄先生と見回りでしょ?もう来て富センとモデルと一緒に待ってるよ」


指を差す方を見ると、煉獄と海奈帆が見回りついでに冨岡が買ってきた竈門ベーカリーのパンを3人で食べていた。





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