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弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第3章 はい、あーん:同学年総北 甘


たまには、そんな姿も悪くない


3.はい、あーん



「神月!おはよーさん。」
「あ、田所くんだー。おはよう。」
彼の教室前でバッタリ出会ったのは
彼の友達で同じ部活の田所くん。


「裕介、いる?」

姿が見えない巻島を
探していた愛羅が田所に問う。


「今日休みみたいだぜ。
風邪とか、なんとか言ってたような。」

彼の一言に驚愕する愛羅。



「ウソ。数学の教科書、借りに来たのに。」

「俺の貸してやるよ。ちょっと待ってろ。」

そう言った田所はその場を離れようとしたが
愛羅が彼の手を掴んだ。


「あ、待って。
このまま早退して裕介の所に
行くことにしたから大丈夫。
ありがとー!!」

彼女は自分のクラスに戻り
カバンを持って学校を飛び出した。




---




今ごろ、みんな授業受けてッショ。

巻島はベッドの上に横になり
自室の天井を見上げていた。



あ。
愛羅に連絡してないッショ。
怒るかな。



ぼんやり考えているとスーッと
睡魔に襲われていった。





夢の中で愛羅が俺の頰を左右に引っ張り怒っていた。



「愛羅?」

「裕介、なんでちゃんと連絡してくれないの?!」

「悪かったッショ。心配かけると思って。」



次の瞬間には
彼女はボタボタ涙を零していて

「ごめんね、さよなら」

と、どこかに行ってしまった。

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