第3章 はい、あーん:同学年総北 甘
「ちょ、ま、、愛羅っ、、、」
巻島が目を覚ました時、彼の目の前には
愛羅が氷枕を抱えて立っていた。
「どうしたの?」
不思議そうに首を傾げている愛羅。
「、、、なんでもないッショ。」
ふいっと顔を背けた巻島の視線の先には
時計が置いてあり
その針は12:25を指していた。
「愛羅、、学校は?」
「早退したけど?」
彼の問いかけに愛羅が気にした様子もなく答える。
「早退って、お前、、、」
「氷枕変えるけど、起きれる?」
巻島の言葉を遮り、彼女は手にした氷枕を指差した。
「あ、あぁ。」
起き上がると愛羅が手際良く、氷枕を変える。
「はい!横になっていいよ。」
横になると、
巻島の首筋に添えられる愛羅の手。
彼の体が熱のせいで、ずいぶん熱くなっている。
巻島は彼女の手に自分の手を添えた。
氷枕を握っていた彼女の手はヒンヤリして心地いい。
「もう少し、寝るといいよ。」
ソッと頰を撫でると、巻島の視線が揺れる。
「あぁ、でも、、、」
「大丈夫。次、起きた時もここにいるから。」
ね?
そう愛羅が問いかけると
コクリと頷き、静かに目を閉じた巻島。
巻島が寝息をたて始めたのを確認し、
愛羅は彼の部屋を出ていった。
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