第9章 口元拭き拭き:年下幼馴染 甘
楽しいと恥ずかしいが入り混じる。
9.口元拭き拭き
「髪よし、服よし、靴よし。」
玄関に置かれた全身鏡を見ながら
頭の先から足の先までチェックする愛羅。
最後に新しく買った薄いピンクのグロスを
唇に引いて、玄関を飛び出した。
「いってきまーす!」
イヤホンを耳にさし、お気に入りの音楽を流して
愛羅は駅前に向かう。
駅前には、沢山の人がいて
待ち合わせ相手を探すのもひと苦労だ。
「愛羅。」
キョロキョロ辺りを見回しながら
歩いていた彼女の腕をパッと掴まれる。
「ゆうくん!お待たせ。」
愛羅は巻島の隣に立ち彼の腕に自分の腕を絡める。
「そんな待ってないショ。」
照れくさそうに笑いながら彼は
あいている手で彼女の頭を撫でた。
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