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弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第8章 胸に顔をうずめる:同学年総北 シリアス




「まき?暑い?大丈夫??」


アイシング片手に駆け寄ろうとした愛羅に
首を振り、目で金城を見やる。


愛羅はアタフタしながら金城に
ドリンクとタオルを持っていった。



なんで金城の時だけ普通にできねぇの?
マネージャー 何年やってんだよ。



金城と楽しそうに話し
頰を染めて笑う愛羅にもイライラした。



俺にはそんな顔見せたことないのに。



「巻島、なんか機嫌悪くないか?」

田所っちはよくわからないところが鋭い。


「別にそんなことないッショ。
もう一本行ってくるわ。」

俺は空いたボトルを田所っちに
渡してペダルをこぎだした。





自ら選択した立場なのに


怒る資格なんてないのに


なぜか イライラがおさまらなかった。





---





携帯のバイブがなる。
ディスプレイに映る文字は〈東堂 尽八〉。

ジーッと眺めていると、プツンと切れ
再び、バイブがなり始めた。


また、東堂だろうとディスプレイを見てみると、

〈愛羅〉

イヤな予感がした。



すぐに通話ボタンを押すと

「どうした?」

「まき、何してるかなと思って。」

そう言う彼女の後ろはどうも騒がしい。



まるで外にでもいるような。。。



あーー、もう!!




「どこにいる?!」






河川敷までロードを飛ばす。




どこまでも愛羅に甘い。


あんなにイライラしていたのに
電話一本で俺の機嫌はなおってしまう。


これも惚れた弱みと言うヤツだろう。





「愛羅!こんなとこで何してんだ。」

途中のコンビニで買ったコーヒーを差し出すと


「ありがと!!」


愛羅はニッコリ笑った。



この笑顔に弱いんだ。
こいつ、分かってやってるんじゃないだろうか。
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