• テキストサイズ

弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第8章 胸に顔をうずめる:同学年総北 シリアス


一目で恋に落ちた



8.胸に顔をうずめる



フワリと風がなびき、
廊下に白いプリントがヒラヒラと舞う。


散らばるプリントを集め
持ち主であろうクラスメイトに手渡すと
彼女は屈託なく笑った。


「ありがと!自転車部の人、だよね?」

「あ、ぁあ。」



なんで知ってるんだろう?



「緑色の髪、とっても綺麗だね!」

彼女が触れた毛先が熱を持った気がした。




次に彼女に会ったのは部活だった。

どうやら同じ部活だったらしい。



「よろしくね、巻島くん!」



彼女はやっぱり屈託の無い笑顔で笑う。



好きになるのに時間はかからなかった。





---





あれから 2年 経った。



俺たちは3年になり
なにが変わったかと言えば

何にも変わらず
クラスメイトで部活仲間だ。




「まき?どうしたの?ボーッとして。」


愛羅が俺の前で手を振る。


「なんでもねぇよ。」


ガシガシ頭を撫でると
グシャグシャになるでしょ!
と彼女は怒り、バシバシ俺を叩いた。



「神月、ちょっといいか?」

「っうん、大丈夫!」

後ろからやってきた金城の声に
ピクリと肩を震わせた愛羅は
髪を整えながら金城と話をしている。



長い髪に隠れてはいたけれど
その顔は少し赤く染まっていた。


まあ、それは俺が気づく程度で
おそらく
金城は気づいていない。





俺が抱いた恋心というやつは
一瞬で壊れた。



彼女の視線の先を 辿ると

そこには いつだって 金城がいた。




それに
金城と喋る愛羅はちょっと ぎこちなくて
さっきみたいに 頰を赤く染めている。




だから俺は
彼女の応援をするフリして
彼女の近くにいる事を選択した。





---




「おかえり!はい、ドリンク!」


愛羅が俺にドリンクとタオルを渡す。

俺じゃなくて先に金城に渡せばいいのに。



もらったドリンクを飲みながら
ぼんやり彼女を眺めた。



愛羅は帰ってきたメンバーに
タオルとドリンクを配って
怪我してる奴らの手当てをする。
/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp