第7章 手取り足取り:同学年総北 ほのぼの
それから、巻島くんは
ほとんど毎日、
私のテスト勉強に付き合ってくれた。
よく考えたら巻島くんは、
自分のテスト勉強を
全くしていないと思うのだが、
彼は気にしていない様子だった。
そして、テスト当日。
問題用紙と回答用紙が配られ、テストが始まる。
「え、なにこれ、、、」
数学で
こんなに回答をかけたテストが
あっただろうか。
と思えるくらいに回答用紙を埋められた。
「巻島くんっ!!」
テスト終わりに
前を歩いていた巻島くんの背中を叩く。
「っ!!、、神月!?」
「ありがとう!!
数学、すっごい出来た!!」
彼の手を握ってブンブンと振ると
巻島くんはまた、少し赤くなって、
わかったわかったと頷いた。
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テストの返却期間に入り
「神月、よくがんばったな。」
と先生に褒められるくらい。
自分史上、最高の点数で返ってきた。
今、目の前に座っている巻島くんに抱きついて
お礼を言いたいくらいだ。
さすがに迷惑だろうと自重し、
放課後になるのを待った。
部活終わるの待ってよう。
と、教室から自転車競技部を見てみるが
「休みなのかな?」
部活をやってるかどうかがわかりにくい。
もう少し見てから帰ろうと眺めていると
玉虫色の髪がチラリと見えた。
「巻島くーーん!!」
せっかくなので呼んでみたところ、
巻島くんは気付いていないのか、
キョロキョロ辺りを見回している。
「まーきーしーまーくーんっ!!」
もう一度、大きな声で呼んだ。
ようやく気づいた巻島くんは
こちらを見上げ、ヒラヒラと小さく手を振った。
私もそれに合わせてブンブン手を振って叫ぶ。
「教室で待ってるーー!」
巻島くんがパッと片手を上げた。
今、すごい青春してるっ!!
ワクワクとドキドキが入り混じり
巻島くんを見てられなくて自分の机に突っ伏す。
なんか、すっごい漫画みたいな青春してる!!
私にはこのドキドキの正体がわかっていなかった。
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