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弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第7章 手取り足取り:同学年総北 ほのぼの







「、、で、こうなる。ここは、こうして、、、」

巻島くんの細い指が私の教科書をなぞる。
ちゃんと聞いているのによくわからない。

正確にいうと言っていることはわかるのだが
それが他の問題に当てはまる意味がわからない。


致命的だ。



理解できた範囲で問題を解いてみて
彼の顔を見てみると

「神月、俺の話聞いてたか?」

巻島くんは呆れ顔である。


「ごめんなさい。」



ガシガシと自分の頭を掻きながら
巻島くんが首を捻る。


「いや、悪りぃのは俺だ。ごめんな。
神月はガンバってるよ。」


ポンポンと巻島くんが私の頭を撫で、
彼は教室を出ていった。



自分の出来なさに泣けてくる。

優しすぎかよ、巻島くん。


あと

やっぱり、巻島くんは神だと思う。





「神月!どうした?!」



ジュースを両手に持って戻ってきた巻島くんが
ちょっと泣いてた私をみて
狼狽える姿はまた新鮮なものだった。




「落ち着いたか?」
もらったジュースをチビチビ飲みながら私は頷く。


なんか、ホントに色々、申し訳ないと思う。





「始めるショ」
ポンと私の頭を撫でた巻島くんが私のノートを
トントンと指で叩いた。




ぐちゃぐちゃに絡まった糸を紐解くように

巻島くんは少しずつ少しずつ教えてくれる。





「どーだ!できたっ!」

巻島くんが私の出した答えを見て大きな丸を書き

「正解っ。よくがんばったな」と
私の頭をガシガシ撫でる。



「ありがとう、巻島くん!!
ホント、助かった!!」



見上げた巻島くんの顔は少し赤くなっていた。





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