第7章 手取り足取り:同学年総北 ほのぼの
優しく教えてね?
7.手取り足取り
わからない。
わからなさすぎる。
放課後、私は1人で数学の小テストと戦っていた。
人一倍数学がキライ。苦手。
意味がわからない。
薄情な友達たちは私を置いて帰ってしまった。
「わからーーん!!」
ガバーッと机に突っ伏したとき、
教室のドアを開けたのは
私の前の席に座る巻島くん。
彼は特に何を言うこともなく
自分の席に行き、忘れ物を手に取った。
机の上に広げていた私の悲惨な小テストを見て
巻島くんが呟く。
「これ、計算間違ってる。
こっちはここの公式使って解け。」
「え、神?」
思わず、口をついて出た。
クハッと彼は独特な笑い方をして
「神、じゃねぇショ」と巻島くんは続ける。
じゃあ、また明日と彼は教室を出て行った。
巻島くんのおかげでその日は
いつもよりちょっと早く帰れた。
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もうすぐ定期テストがやってくる。
小テストなんてものは、まだ可愛いものだ。
定期テストの事を考えただけでゾッとした。
どうしよ。。。
ボーッと前を見ていると巻島くんが目に映る。
前の席なんだからそりゃそうなんだけど。。。
名案が浮かび、
「巻島くん!巻島くん!」
細い背中をつつくと、
「なに?」
巻島くんがめんどくさそうに振り返った。
「テスト前って、部活ないよね?
、、、数学、教えて!!」
「はぁ、、考えとく。」
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