第1章 指切り :年下幼馴染 ほのぼの
教室から校舎裏はそれなりに距離があって
少し早足になる。
「巻島さん!お疲れ様です!!あの、、」
そう声をかけてきたのは小野田。
いま、このタイミングで声をかけてくるとは、、、
「わりぃ、今ちょっと急いでっから
また後でいいか?」
「はい!放課後お願いします!」
通りすぎようとして
小野田が愛羅のクラスメイトだったことを思い出す。
「なあ小野田、愛羅は教室にいるのか?」
「神月さんですか?
寒咲さんとご飯食べてて
ちょっと前に出て行かれたような、、、??」
はて?と首を傾げていた小野田に礼をいい、
その場を離れた。
見間違えたのかもしれないと期待した。
俺がアイツを見間違えるとも思えなかったが、、、
結局、
校舎裏へ向かう速度をさらに早める事になった。
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「「え?」」
思わずクラスメイトと声が被る。
振り返ると女子が1人立っていた。
「、、、神月さんですよね?」
「え?はい、そうです。」
クラスメイトは俺、行くわと言って
どこかに行ってしまった。
沈黙が続く。
話を切り出したのは彼女の方で
「、、、巻島先輩とお知り合いなんですか?」
と問いかけてくる。
ゆうちゃん?
「あ、はい。
ゆう、、巻島、先輩は幼なじみで、、、」
言いかけている途中で
「愛羅、何してるッショ?」
声と共に後ろから白い手が伸びて私の口は塞がれた。
その特徴的な話し方と揺れる緑色の髪は
まさしく今、話題になっていた彼だ。
女の子は
ワッと嬉しそうに声をだした。