第1章 指切り :年下幼馴染 ほのぼの
それは甘くて優しい束縛
1.指切り
何気なく窓の外に目をやると
よく見知った姿を見つけた。
「愛羅?」
彼女は2年下の後輩で幼なじみで俺の彼女。
様子を見ているとキョロキョロしていた彼女の
後ろから見たことない男の姿が現れ
思わず、立ち上がってしまった。
「どうした、巻島?」
田所っちは不思議そうに俺をみる。
「いや、なんでもねぇ。
ちょっと出てくるッショ。」
偶然見つけてしまったから
彼女が困っているだろうから
立ち上がってしまったから
テキトーな理由を自分につけて
俺は校舎裏に向かった。
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「おはよー。愛羅ちゃん!!」
「おはよ、幹ちゃん!」
いつも通りの朝、
登校して靴箱を開くと小さな手紙がパラリと落ちた。
「手紙?」
開いてみると
『昼休み、校舎裏で待ってます。』
割と綺麗な字でシンプルな便箋にそう書かれていた。
名前も書かれていない。
「なんだろ??告白とか?」
「えー。まさか。」
読んでしまった以上、行かない訳にもいかず、
モヤモヤ考えていると昼休みになってしまった。
「幹ちゃん、じゃあいってくるね。」
「うん!いってらっしゃーい」
一緒にお昼ご飯を食べていた幹ちゃんに見送られ
私は校舎裏に向かう。
思いつく限り色々考えてみたが
誰かも想像できなかったし、何にも思いつかなかった。
校舎裏について辺りを見回すが誰もいない。
「困ったな。。。」
「神月?お前こんなとこで何やってんの?」
途方にくれていると
後ろからクラスメイトの男子がやってきた。
どうやら手紙の主は彼ではないらしい。
「手紙が入ってたから来てみたんだけど。。。」
と持っていた手紙をみせる。
うーん???
2人で首を捻っていると
「あの、すみません、、、」
誰かが声をかけてきた。
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