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弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第5章 ほっぺぷにぷに:年下総北 甘




今の幸せを壊してしまうのが怖かった。



5.ほっぺぷにぷに



廊下の窓辺で外を見ながら
ぼんやりしていた巻島は
気怠そうに振り返り
前方からくる小さな塊を抱きとめた。


「愛羅、危ねぇショ。」

愛羅と呼ばれた少女が
不思議そうに首を傾げる。

「ゆうちゃんが受け止めてくれるのに?」


そう言う問題じゃない、
と彼は愛羅の両頬を掴み
ぷにぷにと動かした。


「ごめんなひゃい。」

「もういい、ショ。」

そう言うと巻島が彼女の頬から手を離した。



「私もやっていい?」

そう言うや否や彼女は
両腕をあげて巻島の両頬を掴み、
フフッと笑いながらフニフニと両頬を握る。

「こら、やーめーろ」


楽しそうに見上げる愛羅を
見下ろす巻島には自然と笑みが漏れた。






「ゆうちゃん、大好き。」

「はい、はい。」



彼女は無邪気に言うけれど、

その好きは


俺の想いと同じなんだろうか?





「どうしたの?」

愛羅は心配そうに彼を見上げる。


「なんでもねぇ、ショ」
彼女の頬をソッと撫でた巻島が手を差し出した。

「ほら、教室連れてってやるから。」


大きく頷いた愛羅は
差し出された手に自分の手を重ねた。





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「巻島があんな顔して笑ってんの、
神月といる時だけだろ?
あれで、付き合ってないっつーんだから
ワケわかんねぇ。」

そうボヤくのは
巻島の部活仲間であり友人である田所。


「るさいッショ、田所っち。」
巻島はトンと彼の肩を叩いた。




そんなのこっちが聞きたい。


アイツの前でも俺は

いつも通りを必死で取り繕っているのに



アイツはそれを簡単に剥がしていく。






自室についた巻島が部屋の電気をつけると

「なんで、お前が先に俺の部屋にいる、ショ。」

ベッドで眠っている愛羅の姿。



「人の気も知らねぇで、グッスリかよ。」
床に腰を下ろした巻島はベッドに肘をつき、
グッスリ眠る愛羅の頬をつまむ。





今のままでいたいのか


関係を変えたいのか





「俺は、どうしたい、、、」





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