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弱ペダ:巻島裕介と触れあい10題

第3章 はい、あーん:同学年総北 甘







フワフワ、フワフワ
甘い匂いがする。

綿菓子のような甘い香り。



まるで夏祭りで食べた綿菓子みたいな。

そういえば愛羅、思いっきり綿菓子にかじりついて
食べるの下手すぎだったッショ。


「裕介、手と顔がベタベタする。」
「お前、綿菓子はじめて食べたのか?」


コクリと頷き、ふて腐れた姿は
まるで子どものようだった。








「、、ッショ、」


目を覚まし、瞬きを繰り返した巻島は
先ほどよりだいぶ体調の回復を感じていた。


周りを見回すと
愛羅が何か、食べようとしていたところだった。


「愛羅、、何、してんの?」
「あぇ!?」


突然、呼ばれた彼女は
すっとんきょうな声を出して、
スプーンを持っていた皿の上においた。


「起きたの?
急に呼ぶからビックリした。」


持っていた皿をテーブルに置き、
巻島の額に自分の手を添える。


「うん。熱はだいぶ下がったね。
なんか、食べる?おばさまに聞いてくるけど。」

愛羅はベッドの縁に腰かけた。



「愛羅、何か、、食べてたッショ?」

巻島がジッと愛羅を見つめる。


「プリン?プリンって、食べていいのかな?
食べるなら新しいのもらってこよっか?」


立ち上がろうとした愛羅の
服をギュッと掴んだ巻島は
「愛羅が食べてたやつがいい。」
口を尖らせて呟いた。


なに、この可愛い生物。


撫でくりまわしたい衝動をグッと堪えた愛羅が
今ならいけるかも!と
テーブルの上に置いていた皿を手に取り
一口分をスプーンですくった。


「はい、あーん、、、」


巻島は彼女の言葉に合わせて口を開き
パクッと含んだ。



あーん、出来た!
いつもなら絶対できないやつ!
これはもう、風邪に感謝しかない!

愛羅は幸せを噛みしめていた。



「はい、次、あーん、、」

巻島は彼女の言葉に合わせて再び口を開き
パクッとスプーンを含む。



巻島はほとんど食べられていなかったプリンを
すべてたいらげた。


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