第3章 はい、あーん:同学年総北 甘
「おしまい。」
中身がなくなった皿をテーブルに戻し、
彼の頭をポンポンと撫でる。
「まだ食べれる?もっと寝る?」
「いや、食えねぇし、さすがにもう寝れねぇ。」
怠さが残っているのか巻島は横になりながら答えた。
「薬だけもらってくるね。」
立ち上がろうとした愛羅の腕を掴む巻島は
「ここにいるッショ。」
グッと彼女を引き寄せた。
愛羅が微笑む。
こうなったら、どうしようもない。
「あ、いい事思いついた!」
手を打った彼女は
巻島に少し離れるように言い、
自身はベッドの奥に座って足を伸ばす。
「はい。どーぞ。」
愛羅がポンポンと叩いたのは自身の膝。
「愛羅ちゃん特製、膝枕〜!」
巻島がトンと彼女の膝に頭を乗せると
「悪くないッショ。」
愛羅の手が巻島の髪を優しく梳いた。
「愛羅。」
巻島は腕を伸ばし
彼女の頭を自身に引き寄せ、口づける。
離された唇にもう一度、
キスを落とした愛羅はニッコリ笑った。
「もう大丈夫そうだね。」
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翌日には風邪を完治させた巻島は愛羅と
屋上で昼休みを過ごしていた。
「ちゃんとご飯食べないとまた、風邪引くよ?」
ゼリー飲料を啜っている巻島の様子を見ながら
愛羅がぼやく。
「いいッショ。そしたらまた、
愛羅が看病してくれるんだろ?」
彼女が食べようと箸でつまんでいた玉子焼きを
パクッと食べながら巻島がニヤリと笑った。
fin
あとがき。
甘えた、まきちゃんにしてみました。
お題に沿っているようないないような。
かなり似非まきちゃんになってしまった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2020.02.22 朱華