第3章 サスケ
数年後
日照り眩しく、今日も木ノ葉隠れの里は快晴の天気。
最近は良い天気が続いている、どんよりとした雨はとことん降っていない。
私はイタチからとある事を託された。
それは弟のサスケだ。うちは唯一の生き残りであるサスケはこの先様々な苦難、苦渋を経験する。その支えとしてイタチは私にサスケを託して行ったのだ。
彼の判断、覚悟を私は無駄にしたくない。
頼む、と向けられた眼差しを今でも鮮明に覚えている。
今日は体術、忍術の師であるはたけカカシさんの元に、私が世話をしていた可愛い弟のようなサスケが、班を組み、下忍としてスタートする大切な日である。
世話をしていた、と言うのは今日でもう一緒に暮らす事はなくなるのである…寂しいがこれもこの子を育てるため、忍として生きていくこの子自身の為なのだ。私は寂しくて辛いのだが…
「サスケ、本当に朝食抜いていくの?」
サスケ「ああ」
カカシさんより、今日の演習は吐くかもしれないので朝食は抜いてくるようにと言われたらしい。とはいっても、育ち盛りの子供を預かっている身としては朝食を抜くという行為が心配なのだが…
「じゃあヨーグルトは?それもダメなの?」
冷蔵庫からヨーグルトを取り出して、スプーンと一緒にサスケの前へ持っていく。
サスケ「…食べればいいんだろ」
私の執拗さに諦めたようで渋々とだがヨーグルトを食べてくれた。
こういう所が可愛い…
私は知っているのだ。今日行われる演習内容を。
今までに合格した者はいないと言われる難関試験だ。忍として、カカシさんが一番に大切にしているモノを問う試験。
サスケの実力は折り紙付きだ。しかし、自己の力に奢る部分があるから余計に心配が増してくる。
「サスケ、頑張ってよ」
と言って頭をグリグリと撫でてみれば、うるさい、とはね返されてしまった。近々反抗期到来か…
その自信満々な態度がカカシさんの手によってポッキリと折られてしまわないか、やっぱり心配が募る…