第6章 天
雪華「イタチ、?」
イタチ「俺、は…生き返ったのか…」
雪華「! イタチ!」
すぐさまに抱き着いた私の勢いに押され、イタチは少しよろけたがしっかりと受け止めてくれた。
瞳からはまたとめどなく涙があふれていた、けれどとても幸せで、今まで泣いていたどの時よりも幸福の涙だった。
雪華「お帰りなさい、お帰り!イタチ、やっと、やっと…」
イタチ「ああ、ありがとう雪華、お前の想いがこうして俺を…ありがとう」
私たちは今までの長い長い別れと辛い記憶を埋め尽くすように強く、強く抱きしめた。
イタチは私の顎を持ち上げ、頬に手を当て優しく、キスをしてくれた。
十年越しのキス。
私は待っていましたという様に、負けじと押し返しキスをした。その空間は戦争中だというにも関わらず、幸せな雰囲気を漂わせていたに違いない。
雪華「イタチ、愛してる。やっと言えたね」
イタチ「そうだな。俺も愛している。」
十年ぶりの想いが通じ合う瞬間だった。