第4章 霞
サクラ「あれ、雪華さん来てなかった?」
ナルト「? 今日はサクラちゃんが初めてだってばよ?」
サクラ「えーさっき見かけたのになぁ」
病室のベットで元気そうに言葉を発するナルトは痛々しくも包帯にぐるぐる巻きにされている。けれどもその声音はやはり元気そのもので心配なんてさせようとしないのがわかる。
サクラ「やっぱり、雪華さんが一番傷ついてるよね…小さい頃からずっと面倒見てきたって言ってたもの。」
ナルト「うん…」
扉が開き、そちらの方に顔をむければカカシと自来也、綱手の姿がそこにあった。
カカシ「あれ、雪華いないの?」
サクラ「はい…私、さっき来る途中で見かけたんですけど…」
自来也「最近、塞ぎこんどるからのぉ…」
綱手「変な気を起こさないといいが…」
カカシ「雪華に限ってそんなことはないと思いますよ…」
カカシは雪華を気の強い子だと思っている。なにせあのイタチが惚れこむ相手だ。イタチ自身強く、鋼の心と言っていいモノを持っている。そのイタチが好む相手、イタチと同等の物を持っていてもおかしくはない。
カカシ「(少し様子を見に行った方がいいな。)綱手様、少し席を外します」
綱手「…ああ、すぐ戻れ。」
カカシ「ありがとうございます。」
向かうのは、雪華が以前、珍しく塞ぎこんだときにカカシが連れ出して話を聞いたこの病院の屋上。今では雪華には辛い場所かもしれないが、病院での目撃情報がある以上そこにいるのは違いがないだろう。
やはり、雪華の姿はそこにいた。