第4章 霞
その日の夜。
事は起こった。
明朝、サスケが里を抜けたとサクラちゃんの報告によって知らされた。
私はすぐに火影室へ行き綱手様に申しでた。
雪華「綱手様、私がサスケを追います!あの子をよく知る一人だと思っています!」
綱手「ならん!今はここにカカシも任務でいない。一人でも多くの中忍上忍を留めておく必要がある、わかるな?それにお前は医療忍者だ。里にはまだ怪我人が少なからずいることを考えろ!」
そう、前回の中忍試験の事件の怪我人がまだ残っている。私も医療忍者上忍として治療の任を承っている。
雪華「しかし!」
綱手「それに追跡隊は頼れる人間と、サスケを一番に思う奴に任せてある。」
ナルト、ナルトだ。
綱手「あいつらを信じて待て!」
ナルトが行ってくれるのなら、彼を信じれる。
雪華「…わかりました、申し訳ありません」
その後、カカシさんが任務から戻りすぐに向かってくれた。
カカシさんが帰還したときには、重症で気絶しているナルトだけ連れてだった。
サクラちゃんは涙が止まることなく気絶するかのように泣きつかれて眠ってしまった。
雪華「ナルト…サスケを追いかけてくれてありがとう…」
中忍奈良シカマルを隊長に構成された即席の班員たちは重傷者が多くでた。全員が一命をとりとめたが、任務は失敗となった。
思ったのだ。彼に私は何を約束したのか。
そう、彼を守る事を約束したのではないのか?なら今の状況は彼との約束を破ることになる。サスケを大蛇丸の元へ行かせてしまった。
すべて、私の責任。私があの子を他の皆に任せてしまったのがいけない。なにも、出来なかった。
不甲斐ない自分を呪いたくなった。