第5章 小さくて大きな忘れ物(前編)
とは言ったものの、どうしたらいいか分からなかった汐は、とりあえず炭治郎に相談してみようと蝶屋敷へと向かった。
汐が幽霊と呼ばれるものに会ったのは、実は煉獄が初めてではない。狭霧山で炭治郎と修行をしたときに出会った、錆兎と真菰。
実は彼らも、既にこの世の者ではなく、それを知らされた時はたいそう驚いたものだった。
(あの時、あたしと炭治郎は死んでいた真菰達と話したりすることができた。だとしたら、炭治郎にも煉獄さんの姿が見えるかも・・・)
汐はそう思いながら、自分の少し後ろでふわふわと浮かぶ煉獄を見上げた。
どうやら煉獄は、汐とある程度の距離を離れることができないらしく、汐の周りを飛び回っていた。
しかも、飛べることが珍しいのか(当たり前だが)、変な体制になるたびに『よもや!』と叫ぶため気になって仕方がなかった。
そんなことがありながらも、汐は蝶屋敷につくと炭治郎の名前を大声で呼んだ。
すると炭治郎の代わりに出てきたのは、髪をおさげにした少女、すみだった。