第2章 想い想われ波乱万丈(桜月かりん様リクエスト作品)
「冨岡さん!今すぐ楓を追って!!」
「大海原?それはどういう!」
「つべこべ言わずにさっさと行く!!駆け足!!」
汐の怒声に義勇は大きく肩を震わせると、慌てて楓の後を追った。それを見届けた汐は、今度は炭治郎の腕を掴むとそのまま人気のないところに移動した。
「ぶわはははははは!!!」
町はずれの公園で炭治郎から話を聞いた汐は、思わず笑い声をあげた。あまりにもおかしすぎて汐は腹を抱えてのたうち回るほどだ。
「あたしが、冨岡さんと、想いあってるって・・・ひひひ・・・苦しい・・・!」
「笑い事じゃないだろ!?あんなふうに二人で歩いて買い物をしていたら、逢引をしているなんて思ってしまうじゃないか」
「まああたしも最初に冨岡さんに言われた言葉に、死ぬほど驚いたのは確かだしね」
あの後炭治郎は汐と義勇が付き合っていると勘違いして、楓と共に二人を尾行していたことを話した。
最初は何かの間違いだと思ったのだが、汐が義勇の手を引いて店に入ったことや、汐から感じた果実のような甘い匂いのことや、義勇が汐の髪の塵をとろうとしたところが口づけをするように見えてしまい、思わず飛び出してしまったことを言った。
それを聞いた汐も、義勇が楓の為に贈り物をしたいということで、一緒に選んでいただけだということを説明した。