• テキストサイズ

【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第6章 身だしなみは誰かの為に


「村正ぁぁ!!そんな所で、何を無礼な事を…」

「はははっ。まぁた何かやらかしたのか?」


現れたのはずいぶんと身体の大きな男士様が2人。


「あぁ来ましたね。ファミリーの蜻蛉切デス。此方は蜻蛉切と同じ槍の御手杵デス」


「蜻蛉切様…御手杵様…」

お二人共、首をぐいと見上げなければならない程背が高い。

「さぁ、ファミリーが揃った所で、脱ぎまショウか?」

「脱ぐな!!だからお前は誤解されるのだ!!先程は何をしておった。何故、彩殿の帯を持っておる!!なんと無礼な!!場所を考えんか!!場所を!!」

私達のやり取りを知らない蜻蛉切様が一息に怒鳴る。
でも、その怒りの声など村正様は気にも止めて居ない様子だ。寧ろ、楽しそうにも見える。

「無礼なのはどちらデスか?女性の前でそう大きな声を出すと、怯えてしまいマスよ」

その言葉に、お二人が見下げる様にチラリと私を見た。

…えっ。え、あのー。

とたんに蜻蛉切様が大きな身体を曲げ、

「配慮が足らず、失礼致しました」

深々と頭を下げる。

「い、いえ…。大丈夫です。止めて下さい。頭をあげて下さい」

「否、貴女の前で自分の様な者が大声を出すなど…」

「あの、本当に気にしていないので。大丈夫なので…」

頭を下げる大男と、その前でワタワタする小娘。
端からみたら不思議な光景だろう。


御手杵様は肩を震わせて笑っているし、
村正様もどこかニヤついている。
きっとからかっている。


「huhuhu…。相変わらず蜻蛉切は生真面目ですね。彼女は帯の結び方がわからないそうデスよ。教えてあげたら如何デスか?」


フワリ

と宙に放おられた帯を


「よっと」

御手杵様がキャッチした。


「ではまた」


踵を返し、村正様は歩いて言ってしまった。

/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp