第5章 歓迎は心して受けよ
苦しい…。
息が…。
どれくらいたった?
もう、もう…許して。
前から膝丸様、後ろには髭切様。
その体勢はずっと変わらない。
変わらないのに、どんどん行為の激しさが増していく。
「ぅヴ…っ。グゥ…」
中心を貫き揺さぶる髭切様も優しいとは言い難いが、
口内を一杯に満たすソレを無遠慮に突き動かす膝丸様に比べれば幾分マシに思えてしまう。
声を出す事も許されず、
呼吸をすることもままならず、
喉奥を刺激される度に嗚咽が洩れるが、それすらも書き消すようにじゅぶじゅぶと反響する水音。
その音が、身体への刺激と同時に耳から脳内を刺す。
「あんまり酷くしちゃ可哀想だよ」
「すっかりトロトロだね」
さっきから話をしているのは髭切様だけだ。
膝丸様は「兄者の邪魔はしたくない」と言ったきり言葉を発しなくなった。
「随分慣れて来たね。気持ちいい?」
頭は膝丸様に固定され、
腰は髭切様に固定され、
身動き一つ取れない状況。
頭の中が真っ白になる。
首から上の苦しさと
腰から下の快感に
侵食されていく。
そう…
髭切様の言う通り、気持ちいい。
気持ちいいのだ。
ぐちゅぐちゅと、
じゅぶじゅぶと、
水音が止まる事は無い。
受け止めきれず溢れだしたものが、
入り口から脚を伝う。
「さっきから溢れているのは君のもの?それとも僕のもの?」
溢れ出たものを押し戻すように、より一層奥を突かれ、
「ああっっ!!」
ガツガツと揺さぶられる刺激に耐えきれず悲鳴に近い声を上げると、口の内のモノが抜き取られ、顔には膝丸様の欲が、ナカには髭切様の欲が放たれた。