第4章 『約束』は頷くべからず
「っん…」
「彩」
重なった唇が離れると、
『あんた』と呼んでいた薬研様が私の名前を呼んだ。
ぎゅっと胸を掴まれる様な感覚。
昨日もそうだった。
男士様に名前を呼ばれると、そんな感覚に陥る。
美少年と言う言葉が相応しい白い肌と綺麗な顔。
そして少年の見た目には似つかわしくない低い声と大人な仕草。
私の服を剥ぎながら、自らの服のボタンをひとつひとつ外す手付きは男性なのに、
開いた衣服から晒された膨らみに顔を寄せる様は、なんだか子どもみたいに甘えているようにも見える。
「っんふぅ…」
「ぁアッ」
片方をフニフニと手のひらで感覚を確かめるように触れながら、片方は舌で頂を転がす。
「…っん」
両方をクニクニと摘ままれるとお腹の奥がキュンとした。
両足をすり合わせないと、その感覚に耐えることが出来ない。
「アッ、…んっ」
「柔いな」
「甘いな」
薬研様の言葉に促される様に、自分から自分の物とは思えない様な甘い声が出る。
ちゅぱちゅぱと音を立てて吸って、食んで、咥えて…
「ふぁぁッ。っんー」
ピンっと指で弾かれた時、私の身体も跳ね上がった。