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【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第4章 『約束』は頷くべからず


額がひんやりとして、目を開けた。

この天井は与えられた部屋だ。

どうやら気を失ったらしく、
部屋へ運び込まれた様だ。

目を覚ますきっかけとなった、額に置かれた濡れ手拭いが冷たくて気持ちが良い。


寝ている私の頭上から「だから言ったろ」と、顔を覗かせたのは薬研様だ。


「や、げん様…あの…」

「今回に関してはあんたは悪くない。秋田が執着し過ぎただけだ。でも、身に染みてわかったろ?安易に約束を取り付けちゃいけねぇんだ」


「…はい」


「俺達は持ち物だからな。どうしても持ち主に執着するんだ。だから気をつけてくれ」


「肝に…命じます。でも、私は持ち主ではありません。どちらかと言えば、私も審神者様のモノです」


私がそう言えば、

「そうかもしれないな」と薬研様が笑った。

すごく、すごく、悲しそうに。


そして、


「それでも秋田はあんたに執着したんだ」と
「悪かったな。許してやってくれ」と

頭を下げた。


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