第4章 『約束』は頷くべからず
「こら、秋田。勝手に『約束』を取り付けちゃいけねぇだろ?」
秋田くんと同じ服の男の子が彼を嗜める。
「…でも、僕、一兄と…」
と、しょげる秋田くん。
「あの…」と間に入る為に声をだせば、
「あんたも!!」
と、先程の彼は私に向き直った。
「俺たちの言葉に安易に頷いちゃいけないぜ。俺たちだって神様の端くれだ、下手な『約束』は命取りになる。わかるだろう?」
嗜めながら私に問いかける。
わかるだろう?と言われても…
それより、さっき…
「…あの、神様とは?」
さっき、彼は自分達は神様だと言った。
私にはどうにも人の子にしか見えないんだけれど…。
「あんた、大将から何も聞いてないのか?」
目の前の彼は目を丸くする。
「大将とはどなたですか?」
「審神者だよ。大将って呼んでんだ」
「ハイ!!僕は主君とお呼びしています」
秋田くんが、右手をあげて発言する。
「審神者様…ですか?」
「そうだ。それで、何も聞いてないのか?」
また、同じ事を言われた。
「…あの、『何も』とは?」
私が問いかけると、
はぁ…とため息をつき、
「大将は本当に…」とガシガシと頭を掻いて、
「仕様がないな」と顔をあげた。