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〖イケメン戦国〗翡翠色の向日葵《豊臣秀吉短編集》

第6章 蝶々結びの秘め事《共通ルート》/ ♥






(……っ全部、バレてる………!)




途端に恥ずかしくて、顔が熱を帯びた。
私と秀吉さんの淫らな関係。
身体だけの関係だって事……

政宗は気づいている。
秀吉さんが私の部屋に通ってる事も。
なんで…なんで知ってるの?

ますます口ごもって何も言えなくなっていると……

ふっと政宗の顔が近づいてきて。
額に、柔らかな温もりが落ちた。
キスされた、そう思って目を見開けば、政宗は不敵に笑っていた。




「俺を選べよ、美依。身体だけの関係なんて不毛だろ?」

「政、宗……」

「まぁ、返事は今じゃなくてもいい。まだ帰るまでには時間があるからな。お前が傷つかない方を選べばいい」

「……っ」

「でも、これだけは言っとく」












「俺を選んだら…絶対後悔させねぇ。お前だけを生涯愛して…一生何者からも守ってやると誓う」












────私は、何も言えなかった

きっと、秀吉さんからは絶対聞けない言葉。
『好き』とか『幸せにしてやる』とか。
そんな純粋な言葉は…似合わない気がした。

でも、政宗は私に言ってくれるんだ。
『一生愛して守ってやる』と。

それは、私を強く惹き付けた。
グラリ…と心が揺れたのは確かだ。

……でも、即答は出来なかった。
政宗の腕に飛び込む事は出来なかった。
あの悲しげに熱を宿す秀吉さんを思ったら……

それを裏切るなんて、どうしても出来ない気がした。

身体だけの関係なんて不毛だ。
それは解り切っているのに。
それを捨てる事が出来ないなんて──……

まるで見えない鎖に囚われているような。
そんな心地さえ、覚えたんだ。















*****















「どうした、美依。さっきからぼーっとして」




政宗に告白されてから、また数日が経って。
今夜も秀吉さんが私の部屋を訪れていた。

ひとしきり行為が終わり……
褥の中で秀吉さんに頭を撫でられながら、まるで恋人同士のピロートークのような時間を過ごしていたのだけど。

私がイマイチ心ここに在らずの状態だったので、秀吉さんが私の前髪を掻き上げながら、不思議そうに問いかけてきた。






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