第10章 【誕生記念】滄海と花明かりの煌 / ◆&♥
────今日見た景色を一生忘れない
美依と迷って、行先で見た海や桜。
温泉の中から見えた絶景も。
そして……
赤く染って乱れる、お前の姿も。
ずっとずっと目に焼きつけられて、
一生俺の中を支配するんだろう。
だが、それを『特別』だとは思わない。
お前と見る全ては、俺にとって全て特別だ。
毎日の日常だって然り。
一緒に飯を食べたり、散歩をしたり。
お前が俺の傍にいるだけで……
俺自身が満たされて、
あの花明かりのように煌めくのだ。
「ぁんっあっ…ぁあぁぁっ!」
「美依、美依……っ」
「もっと、秀吉、さんっ……!」
「ん、そうだな。いくらでも…欲しがるだけくれてやる。───愛してる、美依」
繋がっては愛を囁く。
俺達は火照る躰を重ね合わせて、離れがたく何度も"ひとつ"になった。
愛しさは、際限なく生まれては俺を満たす。
欲しくて渇くけど、何度だって満ちていく。
そうやって、俺達は一緒に生きていくんだ。
だから、ずっと傍にいてくれ。
俺はもうお前を離せないから。
きっとお前もそうだと…俺は思ってる。
────お前を本当に愛してるよ
響く声が螺旋を描いて、部屋中に満ちて。
蜜に濡れた夜が、桜のように花開いていった。
滄海に花明りが煌めくように……
高揚感と隣合わせの幸せが、小さな部屋に弾けていったのだった。
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Dear HIDEYOSHI TOYOTOMI