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〖イケメン戦国〗翡翠色の向日葵《豊臣秀吉短編集》

第5章 【誕生記念】Sugar HONEY-金平糖の罠- / ◆






「政宗、光秀!ここを開けろ!」




固く閉じられた倉庫の扉を、力いっぱい拳で叩く。

向こう側からしっかり鍵が掛けられ、びくともしないその扉の向こうには、政宗と光秀が居る。

俺はそいつらに聞こえるように……
何度も扉を叩いては、声を張り上げた。












『何かおかしいな』


そう気づいたのは、俺に話があると政宗と光秀に呼ばれた時だった。

なんでも、蔵で美依が待ってるから……
今すぐに会いに行ってやれと、そう言う話だった。



(……なんで蔵なんかで待ってるんだ?)



二人に言われて出向いたのは、離れにある蔵だ。
色んな使わない荷物などが置いてある……
普段なら、あまり人が立ち入らない場所。

なんでこんな所で美依が?

そうは思ったが、待っていると聞いた以上、行かないわけにもいかない。

すぐさまそこへ行ってみれば……
確かに美依は居た。
だが、様子が少しおかしく。
どこか挙動不審の美依を疑問に思ったが、それ以上におかしな様子に俺は気がついた。

蔵の中は綺麗に片付けられ、ホコリもない状態になっており、中には褥が一組敷いてあった。

……何故、蔵に褥が?

なんだこれ、と疑問に思うや否や。
中に俺と美依がいる状態で、外から扉が閉められ、鍵まで掛けられてしまったのだ。

びっくりしたのなんのって、なんでこんな事をするのか。

中から声を張り上げ……
二人に声を掛けてみれば、とんでもない『計画』が動き出していたのだ。













「秀吉、今日はお前の誕生日だろう。だから、贈り物だ。そうだろう、政宗?」

「誕生日の贈り物?」

「秀吉、よーく聞け?そこはな…"通じ合わなければ出られない蔵"だ」

「はぁ?どーゆー意味だ、それは!」




言ってる意味が解らず、俺は聞き返す。
すると……政宗がくっくっと可笑しそうに笑いながら、その『詳細』を説明した。






「お前らの気持ちの繋がりを確かめるために用意した。お前らなりに"通じ合う"とはどういう意味か考えな。それが出来たなら、出してやる。出来たかどうかは自己申告で構わねぇが…俺達が納得しなければ、それは認めない。褥が敷いてある意味も含め、よく考えろ…解ったな?」








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