第4章 欠けた月に浮かぶ蜜影 / ◆
「ん…っ美依、美依っ……」
手の動きに合わせて、腰まで振って。
あたかも、美依の中に挿入していることを頭で想像しながら、ひたすらに弄る。
きっと躰は柔らかいのだろう。
濡れた奥は、きっとよく締まって……
俺の欲望すら、飲み込んで離さないのだろう。
『ぁぁっ…秀吉、さん…っだめぇ!』
細い腰を掴んで躰を揺さぶれば、美依は可愛い嬌声を上げて、淫らに乱れて。
たわわに胸を揺らして。
だめとか、嫌とか言ったって……
最後には気持ち良さに負けて、素直になるに違いない。
ああ、そんな姿…可愛いな。
もっと、もっと甘やかしたくなる。
快感に溺れさせて、とろとろに溶かして。
────そんな現実は、夢のまた夢
「ん……っ」
次第に俺は、着物を昂りに巻き付け、布越しに扱き始めた。
美依の着物が汚れてしまう。
俺の欲望で、どす黒く。
それは、頭の中にはあった。
それでも───………
美依を己自身で汚したいと。
そのえげつない気持ちが膨れ上がる。
美依を俺色に染められたなら。
俺自身を、包んでくれたなら。
それが勝ってしまい、もう止まらない。
「はぁっ…イ、イ……っ」
そして、布が擦れると摩擦で気持ちイイから。
その直にもたらされる悦に浸って、早く達したいと、それしか考えられなくなる。
この温かく包むのは、お前の中なのか。
そして熱く絡むのは…お前の蜜なのか?
腰が止まらない、
熱く疼いて……
這い上がるように痺れて。
「美依っ、もう……っ」
『いい、よ、秀吉さんっ……』
「本当に……?」
『中、早く……っ』
そして、許しを乞う。
ここには居ない美依に……
その腹に注がせてくれと。
みっともないほどに、
お前を愛しているから。
お前を、
誰よりも、
何よりも、
────…………美依
「んっ、ぁ…………っっ!!」
びゅくっっ………
ああ、まるでお笑い草だな。
俺が情けなくて、
それでも
お前が……好きなんだ。