第2章 世界で一番お姫様 / ◆
「美依っ…美依っ……」
「ひで、よしさっ…秀、吉、さんっ…!」
それしか知らないみたいに、お互いの名前を呼んで。
浅く荒い吐息が絡み合い……
躰中の珠の汗まで、混じって滴る。
本当に蕩けてしまうような感覚。
すでに躰の輪郭は曖昧だ。
美依とひとつになってしまっているから。
もう、離れたくない。
このまま……混ざって溶けてしまおう。
「も、だめぇっ…また、ぁあっ……!」
「…っく、俺も、もう、出るっ……」
「やっ…も、らめぇったら、あっあっ」
そして、弾ける刹那を
一緒にぶっ飛んで、頂点に駆け上がって
気持ちイイだろ?
俺は、すごくイイ
まるで、鮮やかな辻が花みたいに
艶やかな花弁を開いて咲き誇って、
「ひで、よしさ………………っっ!!」
ああ、お前はやっぱり、
この世で一番可愛いお姫様だよ。
────美依
「っんぁ……っっ!」
ぴゅくっ、びゅるっ………!
美依が果てたのと同時に、中を思いっきり締め上げたので、俺は耐えきれずに精を吐き出した。
放出されれば、一気に熱が流れる。
まるで躰中を駆け抜けていく感覚と共に……
頭が霞がかる程の快感に襲われて。
────この瞬間、最高だ
美依の中に吐精するのは、堪らなく気持ちイイから。
本当に…麻薬が如く、癖になると。
その蜜毒は、本当に中毒性が高いようだ。
「はぁっ…は……」
「美依……っ」
「秀吉、さ……ん」
そのまま荒れる呼吸を抑えることなく、俺達は唇を重ねた。
まるで貪るように求め合って……
まるでまだ躰の中の熱が、燻って燃え尽きてないような感覚がした。
唇から伝わる想いは素直で。
『思いっきり愛されたい』と言った美依。
この感覚はきっと……
「……足りないのか?」
唇を離し、その答えを当ててやると。
美依はやたら煽情的な眼差しで、見つめ返してきた。
それなら応えてやらねばなるまい。
だって『一日お姫様』券は、まだ有効だ。
俺はなんでも叶えると言ったのだから。
かしずいて、お前に誓うよ。
永遠の想いを、
今日だけでなく──……
未来永劫、続く愛を。