第2章 世界で一番お姫様 / ◆
絡み合う声は、揺れて、響いて、
二人きりの世界を桃色に染める。
熱い肌を重ね合わせれば、そう──……
二人で至極の蜜夢に堕ちていく。
「んっ…ぁっあんっ……」
ぴちゃっ…ちゅっ、ちゅぱっ……
はだけた胸元から、少し小ぶりな胸の先を愛撫する。
舌でチロチロと刺激したり、ねっとり這わせたり。
さすればそこは、真っ赤に尖り、形を変えながらいやらしく艶めいて。
俺は膝の上で可愛く悶える美依の胸を弄りながら、くすっと笑って少し意地悪く言った。
「そんなに気持ちいいか、お姫様?」
「…っ秀、吉、さんっ……」
「かーわいいな、ほんと」
「んっ…やぁっ……」
今度は指で摘んで、クニクニ擦り付ける。
その淫らな花の芽は硬くなり、存在を露わにして。
本当に可愛い、貪りたくなるくらいに。
そんなえげつない感情をぐっと押し殺し、片胸を指で弾きながら、もう片胸にちゅうっと吸い付くと……
美依は肩に置いた手に力を込めて、背中をそらし、艶めかしい甘い吐息を漏らした。
「は、ずかしい、よぉ……」
「俺しか見てないだろ?」
「だって…ぁっ、そんな、したらぁ…」
「お前の望み通り、ここには俺達だけしかいない。思いっきり声を上げても…誰も聞いてないから大丈夫だ」
ここがどこかと言えば。
以前、空き家になっていたのを、住めるように改装した屋敷だ。
いつも居る御殿からは、かなり離れていて…
俺の第二の拠点として、信長様から賜ったものだった。
とは言え、まだ完全に改装が終わったわけでもなく、とりあえずは衣食住出来るようにはなっているものの……
普段は誰も居ないために、まだ『空き家』扱いなのは間違いない。
それでも、ここなら美依と二人だけで居られるだろ?
二人だけの世界と言うなら……
ここが相応しいと俺は判断した。
「んっ、美依……」
次第に胸を弄っていた手を、膝に跨る脚へと滑らせていく。
すでにはだけている裾。
そこから太ももを撫で、何度もまさぐってから、その中心へと指を運んでみれば……
くちゅっ……
ねっとりとしたものが指に絡みつき、淫らな水音を立てた。