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〖イケメン戦国〗翡翠色の向日葵《豊臣秀吉短編集》

第10章 【誕生記念】滄海と花明かりの煌 / ◆&♥




(何度だって登ってほしい、それに……)



また『俺自身』が硬く膨らむのを感じる。
それは湯の中で雄々しく屹立し、もう限界間近なのに放っておかれているせいで暴れ出しそうだ。
でも好くならないと、美依が辛いから。
そんな思いは絶対させたくないし、たくさん好くなっておくことに越したことはない。



「ほんと、ら、めぇぇ……っっ!!」



三度目の甲高い啼き声。
また絶頂したかな、数回気をやって随分敏感になっているらしい。
でも、そろそろぐずぐずに解れただろ。
そう思って、脚の間から顔を上げれば……
美依は壁にもたれて、くったりと脱力していた。



「気持ち良かったか、美依?」

「……」

「美依?」



先程と同じように問いかける。
……が、返事がない。
よくよく見てみれば、美依は真っ赤に火照って気を失っていた。
温泉に逆上せたのか、甘美すぎて昇天してしまったのか。


(しまった、やりすぎた……!)


そう思った時には、もう遅い。
温泉の熱さも手伝って、美依の躰は熱の塊のようになっている。
気絶している女に『先に進みたい』など言える筈もなく、中途半端に高ぶった躰はそのままの俺。

……自分のせいなんだが、正直辛い

そんな気持ちを燻らせたまま、俺は美依を抱き上げ部屋へと運ぶ事にした。
軽すぎる躰を運びながら、たくさんの感情が入り交じっていく。
愛しさとか、焦れったさとか。
情欲も火照る心も、ごちゃ混ぜになって……










気がつけば、すでに日を跨ぎ、
己の誕生日となっていたのだが​──……










「ん……?」

「お、気がついたか…美依」



窓から煌々とした満月を眺めていると、可愛らしい声と共に美依が意識を取り戻した。
美依は何が何だか解らないのか、上半身を起こしてきょろきょろしていたけれど……
部屋の布団で寝かされていたと気がついたのか、気まずそうに俺に尋ねてきた。



「もしかして私、温泉で……」

「ああ、意識飛ばしちまってな。悪い、やり過ぎた」

「っ…ううん、私こそごめん」



美依の傍に座り直すと、頬を優しく撫でる。
まだ熱を帯びたままのそれは、俺の心の敏感な部分をやんわり刺激した。




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