第10章 【誕生記念】滄海と花明かりの煌 / ◆&♥
「ぁっ…ら、めぇぇ……っっ!!」
天を仰いで一際大きく啼いた美依。
一瞬強張った躰は一気に脱力し、俺にくったりともたれかかる。
どうやら素直に果ててしまったらしい。
俺は美依の中から指を引き抜くと、その濡れた手で美依の頬を撫でた。
美依は荒く浅い息を吐きながら、潤んだ真っ赤な目で俺を見つめてきた。
「気持ち良かったか、美依?」
「こ、んな…温泉の、中で……!」
「逆上せちまうな、このままだと」
「あ……」
俺は美依の細い腰を掴むと、ひょいと持ち上げで温泉の縁に座らせる。
ちょうど岩壁が背もたれになるから、丁度いいはずだ。
俺自身は逆上せていないから、そのまま湯の中から美依を見上げた。
下から見上げるのも、なんか唆られるなぁ。
そう思っていると、美依が俺を赤い顔で見下ろし、若干膨れっ面になる。
「……なんか、視線がいやらしい!」
「一緒にいやらしい事してるんだから、お前もそうだろ?」
「っ……秀吉さんが触れるせいだもん」
「かーわいいな、お前は。俺のせいで構わないから…もっと気持ち良くなってみろ」
「あっ……!」
俺は問答無用で、目の前で閉じられている脚を左右に開かせた。
その中心はぐちゅぐちゅに蕩けていて、赤く膨らんだ蜜華からとろりと甘露が溢れている。
(っ……やっぱり直接見ると堪らない)
その濡れた奥が気になり、早くそこを愛でたくて思わず生唾を飲んだ。
美依の匂いも漂ってくらくらする。
本当に美依は肌も匂いも甘くて、極上の甘味のようだ。
そう、俺しか食べられない、至極の蜜菓子。
俺がそれを堪能すべく、ゆっくりと蜜部に顔を近づけた時……
「あ……」
どこからかひらり…と桜の花びらが一枚舞ってきて、美依の脚の間に落ちた。
あの枝垂れ桜の花びらだろうか。
それを目で追えば、その花びらは美依の秘華の近くにぴとりと張り付いて。
思わぬ偶然が可笑しくて、俺はつい笑みを漏らした。
「な、何が可笑しいのっ……」
「いや……なんか綺麗だなと思って」
「っ……」
「俺に触れてくれって…花まで咲いた」
俺は再度脚の間に顔を埋める。
そして唇で優しくその花びらを咥えた。